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平成22年2月のチリ中部沿岸地震津波を振り返って

[2014年8月19日]

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平成22年2月8日(日)チリ中部沿岸を震源とする地震による津波が日本に到達しましたが、そのとき皆さんは、どのような行動をとっていたでしょうか?

当時、気象庁がこの地域に発表した情報は『三重県南部に津波警報、津波の高さは高いところで2m』というものでした。これを受けて市では、沿岸部および河川沿いの家屋の浸水被害が予測されたことから、その地域に避難指示を、それ以外の地域についても避難勧告を発令し、津波による人的被害をゼロにすべく対応しました。結果として尾鷲市に到達した津波の高さは最大で60㎝で、大きな被害は発生しませんでしたが、もしも2mの津波が襲来していた場合には、家屋被害や人的被害などの大きな被害が発生していたと考えられます。

近い将来、『東海、東南海・南海地震』の発生が予想されていますが、この津波の経験を防災知識のひとつとして積み上げ、今後に生かせるよう家族で話し合いましょう。

あなたの津波への認識は間違っていませんか?

過去の災害から学ぶ

皆さんは、津波に対してどのような認識をお持ちでしょうか? 津波を知るには、過去の災害から学ぶことが有用です。1960年のチリ津波では、第1波の襲来が午前4時24分にありましたが、40分後の第2波で海岸部が浸水し、さらに午前5時40分の第3波が最高波となって、異常潮位3m20㎝を記録しました。チリ中部沿岸地震による津波でも、午後3時8分に到達した第1波が約30㎝でしたが、最大波は午後5時15分に記録された60㎝でした。

このように、津波は何度も押し寄せ、しかも第1波よりもそれ以後の波の方が大きくなる傾向があります。そのため津波の到達が予測され、避難勧告や避難指示が発令されているときは、それらが解除されるまで避難を続けましょう。

誤った認識をもたない注意

一方、過去の経験から学ぶことはとても大切なことですが、同時に、誤って解釈しないよう注意が必要です。例えば「私は子供のころ、津波はごはんを炊いて食べて、弁当を作って逃げれば良いと聞かされていました」(東南海地震体験談集より)という体験談があります。ここで注意が必要なのは、今回の津波のように日本から約1万7、000㎞離れたところからやってくる津波の場合は、この体験談のように避難生活に備える時間的な余裕がありますが、しかし近い将来、発生が予想されている『東海、東南海・南海地震』では10∼15分で津波が到達すると言われ、まったく当てはまりません。「津波は逃げるが勝ち!」、「揺れてから5分で逃げれば被害者0!」という素早い避難を実行してください。

また「津波が来る前に海の底が見えた」と言う証言などから「津波はまず引き波から来る」という誤った伝承が広く信じられている傾向があります。これはまったくの誤りで、いきなり津波が襲来する場合もありますので、津波警報が発表された場合などは、絶対に浜辺に様子を見に行かないようにしましょう。

情報をより正しく把握しましょう

津波の「高さ」を意識する

津波の到達が予測される場合は、その高さについてもより正しい認識をもつ必要があります。気象庁が発表する「予想される津波の高さ」は、海岸線で津波がない場合の潮位から上昇すると予想される、津波予報区における平均的な波の高さの変化のことですが、実際に到達する津波の高さは、沿岸部の地形や潮の干満などにより違ってきます。そのため、過去に襲来した津波の波高や被害状況なども参考にして、いっそう津波への備えを行いましょう。

津波の「エネルギーと速度」

通常海岸に打ち寄せる波と同じ高さの波であっても、津波の場合は保有するエネルギーの量がまったく異なります。

例えば、高さ50㎝の津波の場合でも、65㎏の男性が簡単に倒されることが実験によって明らかにされています。また事例としても、1983年5月に発生した日本海中部地震では、青森県岩木川の河口にいた9人を高さ数十㎝の津波が襲った際、6人が波に巻きこまれ、そのうち3人の尊い命が失われたことが記録されています。

また、津波の速度は非常に早く、水深約200mのところで時速約160㎞あり、陸上でも、人間が走るより速いと言われています。このように、津波と競走しても勝てませんので、津波警報や津波注意報が発表された時は、海辺や河口には絶対近づかないようにしましょう。

警報や避難勧告について

津波の到達が予測される場合、気象庁が発表する情報には大津波警報・津波警報・津波注意報があり、それぞれの内容は次のとおりです。

・「大津波警報」とは、高いところで3m程度以上の津波が予想された場合に発せられます。

・「津波警報」とは、高いところで2m程度の津波が予想された場合に発せられます。

・「津波注意報」とは、高いところで50㎝程度の津波が予想された場合に発せられます。

このため(前項であげた50㎝の津波の例から)、津波注意報が発表された場合にも、絶対に沿岸部には近づかないようにしてください。

さらに、これらを受けて市が発令する情報には、避難勧告や避難指示、警戒区域の設定などがあります。特に今回の津波の経験から、避難勧告の発令に関して、地域指定や住民の皆さんへの伝達に課題があると考えています。市内の地域を詳細に区切り、その地域を皆さんに速やかに伝達することが困難であることから、今回の津波では、避難勧告の対象に新田町や光ケ丘など危険性がない地域も含めた範囲の設定としましたが、今後は、より現状に即した形で避難勧告や避難指示が発令できないかを検討していきます。

速やかに避難行動をとりましょう

避難行動は速やかに

津波の襲来が心配される場合や、津波に関する注意報などが発表された時は、基本的に速やかに避難行動をとるようにしてください。

今回の津波のような遠地津波の場合は、充分な時間的余裕を持って気象庁から津波警報や予想津波到達時間などが発表されているため、収容避難所などに避難するまでに、その準備を行うなど冷静な避難行動がとれますが、震源域が非常に近い東海、東南海・南海地震の場合は、発生した津波の到達時間がとても早いため、そのような時間的余裕はありません。場合によっては避難所に避難する余裕すら無いことも考えられます。そのような場合は、近くの高台や丈夫な建物の2階などへ避難してください。

また、これらの大地震にかかわらず、地震による大きな揺れがあった場合は、津波警報の発表や情報の確認を待たなくても、とにかく早く避難することを心がけましょう。

最寄りの避難所を確認

速やかな避難行動を行うためには、最寄りの避難所や高台を確認しておく必要があります。避難所の場所については、市のホームページ(最新) や、平成18年4月に全戸配布した『尾鷲市防災マップ』に、土砂災害の場合の収容避難所や津波災害の場合の収容避難所、緊急避難場所、土砂災害発生時には利用できない施設、津波災害発生時には利用できない施設などが掲載されていますので、日ごろからぜひ確認しておきましょう。

そのなかでも、津波の場合に注意してほしいことは、避難所の中には土砂災害時の収容避難所となっているものの、津波の場合注意が必要な避難場所、津波到来時には浸水域にあたると想定されているため、津波災害時の避難所になっていないものがあるということです。この点に充分注意して、災害に応じた収容避難所などを確認しておきましょう。

津波に備えて家族で話し合いましょう

想像力を働かせて

近い将来、確実に発生するといわれている東海、東南海・南海地震。それらによって引き起こされ、尾鷲にも襲来するであろう大きな津波に備え、平時である日ごろから、避難時の行動や対策などについて家族で話し合っておくことが重要です。

家族で話し合う必要があるものについて、状況によってさまざまな場合があるため全てをあげることはできませんが、より多くの皆さんに当てはまるものについて、今回、大きく次のような例をあげてみました。

話し合う上で大切なことは、災害に対する想像力です。楽観的な想像ばかりでなく、いろいろな場面をなるべく具体的に想像して、家族内での対策や一人ひとりができる対策を立ててみてください。

①住居や職場・学校などで想定される津波災害を知りましょう。

津波を考えるうえでまず大切なことは、現在、自分のいる場所が、津波に対してどのような場所かを知ることです。尾鷲市防災マップや、沿岸部などの電柱などに設置されている海抜表示板で、おおよそどの程度の海抜かを把握したり、津波到達時の浸水域となる可能性が高いかどうかなどを確認・想定しておき、気象庁などから発表される津波注意報などや津波の高さに応じて、柔軟な対応ができるようにしておきましょう。

②避難所や避難経路を確認し避難行動を決めておきましょう。

家族一人ひとりが、①で想定した場所から津波に対する避難所を確認し、複数の避難経路を検討・確認しておきましょう。また避難する際には、津波の状況や自分の安全が確保できる範囲などに応じて、ご近所や周囲に避難を呼びかけるなどしながら避難することを心がけましょう。

③避難後の連絡の取り方を決めておきましょう。

大きな災害時には通常の電話が通じにくくなるため、家族同士の連絡が取りにくくなります。その場合の対策として、NTT東日本などが災害時に提供しているサービス『災害伝言ダイヤル171』の使用方法について知っておきましょう(平時は開設されていませんが、毎月1日などの体験利用(通話料分は有料)提供日もあります)。詳しくはNTT東日本のホームペー(htp:/www.nt-east.co.jp/ saigai/voice171/index.html)をご覧ください。

④災害時に何が必要かを話し合って備えましょう。

水と食糧は基本的に3日分は必要と考えてください。東海、東南海・南海地震が同時に発生した場合は、交通網が寸断されることなどが想定されることから、少なくとも3日間は備蓄で過ごさなければならない可能性があります。

またそのほかにも、懐中電灯、ライター、携帯ラジオ、衣類、救急セット、ティッシュ、現金などについても準備しておきましょう。

⑤地域の防災活動に興味を持つようにしましょう。

各地区ごとに組織されている自主防災会や、設置されている防災倉庫の位置や装備品を確認したり、市や自主防災会などが行う防災訓練などに積極的に参加しましょう。

防災風土の醸成に向けた市の取り組みについて

広報紙での防災情報の連載

尾鷲市は、東海地震対策強化地域、東南海・南海地震対策推進地域に指定されていることから、市では自助・共助・公助の考え方をふまえた減災に向けてのさまざまな取り組みを行なってきています。

しかし、今回の津波の対応を振り返ってみると、結果として大きな被害は発生しなかったものの、津波警報や避難勧告・避難指示などが発表された状況での対応において、いっそう改善に取り組まなければならない課題が見受けられました。なかでも全住民的な防災意識の向上に向けた取り組みを行うこと、防災情報や災害に関する知識などを皆さんにお伝えして、平時から災害時のことについていっそう考えてもらうことの必要性を強く感じました。

そこで、平成22年度には毎月、広報おわせのなかで防災情報の連載を行います。

情報提供手段の積極周知

市では現在、防災情報を伝達するための提供手段について①防災行政無線のほか、②防災行政無線の放送内容を電話で確認できるフリーダイヤルなどの設置(一般電話:0120・920・999(無料)・携帯電話:0597・22・8131(有料)、③市ホームページ(htp:/www. city.owase.lg.jp/)への情報掲載、④防災メールの配信(パソコン用:htp:/dosya-info. city.owase.lg.jp/index.htm・携帯電話用:htp:/dosya- info.city.owase.lg.jp/m/ index.htm )、⑤防災行政無線戸別受信機の有償配布などを行っていますが、これらの周知をより積極的に行います。

災害はいつどんな時に起こるかわかりません。そのため防災情報を入手する手段については、複数確保するようにしましょう。

防災風土の醸成に向けて

防災危機管理室では、家族やご近所同士、自主防災会などを始めとした地域で防災について話し合う機会などで、皆さんが希望すれば、その一助となるよう、防災講話や防災訓練を休日・夜間を問わず実施いたしますので、ご希望の場合は、防災危機管理室(23 ―8118)までお問い合わせください。

歴史を振り返ると、東海地震などの大地震が100∼150年の間隔で発生しています。こうしたことからすると、現在、東海地震はいつ起きてもおかしくない状況にあり、また東南海地震は今後30年の発生確立が60∼70%、南海地震は50%とされています。そのため「天災は忘れたころにやってくる」という認識は改める必要があります。

今回のチリからの遠地津波の経験や反省を生かして、ぜひ家族や地域で防災について話し合いましょう。

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お問い合わせ

尾鷲市役所 防災危機管理室 総合防災係
電話: 0597-23-8118 ファックス: 0597-22-9343
E-mail: kikikanri@city.owase.lg.jp

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