平成29年度から適用される主な個人市県民税の税制改正について
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平成29年度から適用される主な個人市県民税の税制改正について
1.日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化
(1)日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化
平成28年分以後の所得税の確定申告や平成29年度以後の市・県民税の申告等において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合は、「親族関係書類」及び「送金関係書類」の添付又は提示が必要となりました。
(注1)給与所得者等が年末調整等の際に、源泉徴収義務者に対し、国外居住親族に係る「親族関係書類」及び「送金関係書類」を扶養控除申告書に添付又は提示している場合は除きます。
(注2)国外居住親族が16歳未満であっても、市・県民税の非課税限度の適用を受けようとする場合は、上記の関係書類の添付又は提示が必要です。
(2)親族関係書類について
親族関係書類とは、次のア又はイのいずれかの書類で、国外居住親族が納税者の親族であることを証するものをいいます。当該書類が外国語で作成されている場合には、日本語での翻訳文も必要です。
ア 戸籍の附票の写しや国又は地方公共団体が発行した書類及び当該国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
イ 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載のあるものに限る。)
(3)送金関係書類について
送金関係書類とは、次のア又はイのいずれかの書類で、納税者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に送ったことを明らかにするものをいいます。当該書類が外国語で製作されている場合には、日本語での翻訳文も必要です。
ア 金融機関の種類又はその写しで、その金融機関が取り扱う為替取引により、納税義務者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類(送金依頼書など)
イ クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示して商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額をその納税義務者から受領したことを明らかにする書類(クレジットカード利用明細書など)
2.給与所得控除の見直し
給与所得控除の上限額と、上限額が適用される給与収入額が次のとおり段階的に引き下げられます。
給与収入額 | 給与所得控除上限額 | |
現行 | 1,500万円 | 245万円 |
平成29年度 (平成28年分) | 1,200万円 | 230万円 |
平成30年度以降 (平成29年以降分) | 1,000万円 | 220万円 |
3.金融所得課税の一体化
(1)公社債等の課税方式の変更
公社債を国債や地方債などの「特定公社債等」とそれ以外の「一般公社債等」とに区別し、特定公社債等の利子所得および譲渡所得、一般公社債等の譲渡所得を申告分離課税の対象とします。
(2)株式等、公社債等に係る譲渡所得、配当所得、利⼦所得等の分離課税の⾒直し
特定公社債等に係る利子所得および譲渡所得について、上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限る)および譲渡所得等との損益通算が可能となり、特定公社債等の譲渡損失のうち、その年に損益通算しても控除しきれない金額は、翌年以後3年間、繰越控除ができることになります。
なお、「上場株式等・特定公社債等」と「非上場株式等・一般公社債等」は別々の分離課税制度となり、両制度間での損益通算はできません。
4.平成30年度以降の市民税・県民税から適用される主な税制改正について
(1)医療費控除の特例(スイッチOTC薬控除)の創設(平成30年度課税分より)
健康の維持増進や疾病の予防への取組みとして、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として健康の維持増進や疾病予防のために、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診を受けるなどの一定の取組を行う人が、平成29年1月1日以降に、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)の購入の対価を支払った場合において、その年中に支払ったその対価の額の合計が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が8万8千円を超える場合には8万8千円)について、その年分の総所得金額等から控除することができます。
(注1)本特例の適用を受ける場合には、現行の医療費控除の適用を受けることができません。
(注2)本特例は平成30年度の市・県民税から(所得税においては平成29年分から)適用されます。