須賀利大池及び小池【すがりおおいけおよびこいけ】
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須賀利大池及び小池
須賀利町の熊野灘に面した半島部にある海跡湖。大池は、面積約58,000㎡の細長い形をした池である。この池は、今から7~1万年前の最終氷期の海面が下がっていく過程で形成された谷が、その後の海面上昇の過程で砂礫によって次第に閉ざされていったものと考えられている。西側と東側の開口部や東南端に僅かに外洋に開いた部分があるが、通常海水の浸入はなく、湖底には過去の大津波による堆積物が確認されている。
小池は、須賀利大池の西側に位置する南北および東西幅約50m、面積約2,300㎡の小さな海跡湖で、大池と同時期に形成されたと考えられている。
多くの維管束植物が確認されており、大池湖畔には日本最大級の「ハマナツメ」の群落が発達するほか、極めて稀少な「アズマツメクサ」をはじめ、暖地性常緑広葉樹類の「バクチノキ」が散在している。外洋に面した断崖や礫浜には、「アゼトウナやキノクニシオギク」などの貴重な草本類が生育する。また、「テツホシダ」などの希少種など、植物分布地理上、貴重な植物が生育する。小池は小さな海跡湖であるが豊かな水草相を有している。
須賀利大池及び小池は、全国で人工的に改変された海跡湖が多い中、集水域から海岸線、そして湖底の津波堆積物までが良好に保存されており、極めて貴重である。
写真提供:三重県立博物館
指定区分 | 国指定 |
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指定種別 | 記念物(天然記念物) |
指定登録日 | 平成24(2012)年1月24日 |
所在地 | 尾鷲市須賀利町 |
所有者 | 尾鷲市他9名 |
一口メモ | 海跡湖 |