土井本家湧井井戸【どいほんけわくいいど】
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土井本家湧井井戸
この井戸は、古戸野にある土井本家茶納屋の前にあり、井戸に関する文書は残っていないが、土井本家がこの地に茶畑を経営したのは、宝暦年間(1751~64年)のことであるから、おそらくその頃に建造されたものであろう。
古戸野は、水量不足のため米作には適さず、土井本家は宇治から茶種をとり入れ、また同地から製茶職人を招いて製茶に励んだ。文化年間(1804~18)の頃には銘茶を紀州侯に献上し、文政年間(1818~30)の頃には、生茶の生産高15,000貫、製茶にして3525貫にも達した。
井戸の深さは6mであるが、井戸の南面は底より2mのところまで15mのゆるやかな傾斜で通路が作られている。
この井戸の使命は、茶園の灌漑用水源であって、桶で水を汲み出したが、雨季には井戸の水位が上がり、冬の乾期には井戸の底まで水位が下がる。この涌井井戸は、こうした状態に合わせて便利に使用できるように作られたものである。
涌井方式は南中国に多い型式であるが、土井本家は古くから薩摩藩と交流があったため、同藩を通じてこの涌井方式も知り得ていたのであろう。
指定区分 | 市指定 |
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指定種別 | 有形文化財(建造物) |
指定登録日 | 昭和51(1976)年3月2日 |
所在地 | 尾鷲市古戸町 |
所有者 | 個人所有 |
一口メモ | 新田開発と茶園経営 |