木造阿弥陀如来坐像【もくぞうあみだにょらいざぞう】
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木造阿弥陀如来坐像
本像は、三木里町に所在する曹洞宗法念寺の本尊である。法念寺は禅宗曹洞派越前國福井心月寺(しんげつじ)末で、永禄年中(1558~1570)に心月寺七世の才応総芸が開山したと伝えられている。享和元(1801)年10月に火事で建物すべてが焼失したと伝えられており、この時に古記録も失われたと考えられる。なお、現存する棟札から、文政3(1820)年に本堂が再建されたことが分かっている。
本像の材質はヒノキと考えられ、像高は89㎝。表面の肉身部に金泥(きんでい)を施し、衣部は漆箔(しっぱく)の上、金泥で模様を描いている。肩や肘などは一部別材を用いるものの、頭体を一材で製作して割り矧(は)ぎ、内刳(うちぐり)した後に再接着して仕上げる、「割矧ぎ造り」という技法が用いられている。江戸時代以降に丁寧な修繕がなされたことが分かっている。
現段階で、製作年代や仏師、願主といった具体的な事項を示す墨書(ぼくしょ)などは確認されていない。しかし、顔の円満で穏やかな表情や浅く整えられ衣文等から平安時代後期の特徴的な作風が読み取れることや、その一方で胸や腹を限る線は少し強めに表現され、側面の奥行きも感じられるなど、後世にみられるやや力強い表現も見えることなどから、製作は鎌倉時代に近い平安時代後半から末頃(12世紀後半)と推定されている。
本像の伝来経緯は不明だが、台座の天板上に法念寺五世の鐵顔(てつがん)和尚の名前と、享保14(1729)年と判読できる墨書が確認されていることから、本像は寺院が火災で焼失する以前から安置されていたことは間違いない。
本像は、市内唯一の平安仏であることに加え、享和元年の火事による焼失も免れ、地元で大切に守られてきた仏像であるとして、市文化財に指定された。
| 指定区分 | 市指定 |
|---|---|
| 指定種別 | 有形文化財(彫刻) |
| 指定登録日 | 令和8(2026)年10月20日 |
| 所在地 | 尾鷲市三木里町578 |
| 所有者 | 法念寺 |
| 一口メモ | 市内最古にして唯一の平安仏 |

