最近の星の世界(2013年4月)
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☆ 最近の画像から ☆

「明るい彗星が見える」と前評判の高かったパンスターズ彗星(C/2011 L4)。撮りこぼしては天文館の恥・・・とばかりに、天気の良い夕方はスタンバイして待ちました。
予想していた通り、黄砂シーズンの西空低く通過していく彗星を追うのはスリリングでした。
夕焼けの残る空(天文薄明中)で淡い彗星を追うのは、日常生活でいえば「食い合わせ」に近いでしょうか?・・・明るいうちは見えず、見えたらすぐ稜線に沈んでしまう。
具体的にいいましょう。前夜天文シミュレーションソフトで尾鷲の稜線を描画し、1分ごとの彗星位置を計算します。81cm望遠鏡の表示器の誤差も考慮します。それでGO!なのですが、当夜薄雲がかかっているかどうかは、現場に行かないとわかりません。今回困難だったのは、見えている時間帯の空の明るさでした。空が明るいと彗星が埋もれてしまって写りません。ましてや低空に雲があると当然写りません。悪いことに、彗星にアクシデントの多い3月11日頃は高度が低く、天文館からは見えませんでした。それで、最初は古里・水地で撮影しました。ようやく自慢の81cmで撮れたのは、21日になってからでした。

パンスターズ彗星 3月11日
最初に成功したのがこれ。
でも、どこに写っているか分かりますか?
標準レンズでの撮影
(目で見た感じに近い)
古里・水地にて
上画像、中央部V字型の稜線の拡大
※ 朝日新聞 3.13 掲載

3月12日
3月12日の像。
双眼鏡で確認するも、なかなか分からず。
φ80mm中型双眼鏡でようやく確認。
前日の写真と同時刻の画像。
前日の小さな姿から、中望遠レンズに変更
水地にて
上の部分拡大画像です。
雲がなければ、今回最高の姿が見えた時期です。
※ 紀勢新聞 3.14 掲載

3月14日
ベストと思われた13日は雨。
次の14日に、その面影を追います。
中央に見えています。
中望遠レンズでもこれくらいの大きさです。
今回のベストショットでしょうか。
14日像を部分拡大しました。
左に曲がったダストテールが見えています。
更に画像処理してみると、太陽方向に伸びるアンチテールと、
オーロラと同じイオンテールらしいものが見えてきました。
両方とも、ごくわずかですが。

3月16日
稜線の関係から、この夜初めて中村山の天文館で撮像しました。
・・・ところが、撮像直後すぐ稜線が迫ります。

3月21日
3月21日、ようやく自慢の81cm望遠鏡で捕らえました!
さすが巨大彗星です!
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