最近の星の世界(2021年7月)
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~ 尾鷲市立天文科学館より ~
クエーサー……
その遠さゆえに
いまだにはっきりと
解明されていない、
放出型銀河の一種
なのだそう……
それでは中村山からの天体解説、湯浅さん、どうぞよろしくおねがいしま~す!
雨雲の季節
はい こんにちは。天文科学館 撮影および解説担当、天体観測指導員 湯浅祥司です。
では 今回もまいりましょう 「最近の星の世界」。
クエーサー 3C273
7月は雨が続き、これといった写真が撮れずに終わりました。天体写真は月明かりがあると撮れないので、晴れていても写せない夜が続きました。
天文科学館HP「天体アルバム~最近の星の世界(2021年5月)」
「ハート形」を確認できたおとめ座は、すでに西空に傾いています。おとめ座のなかで、30年まえの開館ごろから注目し、写真を撮ってある天体があります。クエーサー3C273です。
クエーサー3C273は1959年に出版された「ケンブリッジ電波源カタログ第3版」の273番目に記載されています。その後正体不明な「遠方にあるきわめて明るい天体」として注目され、1963年、速いスピードで遠ざかっていることがわかりました。
現在の測定値では、24億光年かなたで光速の15%の速度で遠ざかっているとされています。絶対的な光度が非常に大きく、ふたご座のポルックス(1.15等星)とおなじ34光年の位置にあると、太陽ほどの明るさになるとされています。光の燃料として年間1000個の太陽相当の星を消費しているといわれていますが、その正確な正体は依然不明です。
クエーサー 3C273の位置
3C273は12.9等星で、写すことはそれほど困難ではありません。天文科学館の81cmでは肉眼で眺めることも可能です。つまり24億光年かなたを眺めるという、不思議な体験ができることになります。今期は天候が悪く見えませんでしたが、次年度以降もチャレンジしていきます。
さて、今回の中村山山頂ドーム発 「最近の星の世界」、
いかがでしたでしょうか。以上、
尾鷲市立天文科学館 天体観測指導員、湯浅祥司でした。
湯浅さん、ありがとうございました!
天候の良し悪しは天体観測の
宿命とはいっても、今年の
雨季はなかなか雲が切れず、
ひときわ大変な年でしたね……
では 来月も、どうぞよろしくおねがいしま~す♪
~ 天文科学館からのご案内 ~
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それではまた 次回の 星の世界で!
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