~ 尾鷲市立天文科学館より ~
新しい挑戦
ベガ(織姫星)
久し振りに晴天になりました。
西空に傾いたベガを観望しました。
いつ見てもその清々とした姿には、気持ちが洗われるように感じます。
天体用冷却CMOSカメラ
永らくデジタル一眼レフで写してきました。調子が硬く微妙な明るさや色の表現に限界を感じていました。
今月から新しいカメラに……といっても缶詰の缶みたいな風貌ですが……加わってもらい写していきます。
写す対象によって使い分けます。(専門的表現で:8ビット階調が14ビットになります)
はくちょう座の銀河
従来のカメラで写した、はくちょう座の銀河です。全体に赤っぽいベールのようなものが写っています。
夜空は水素原子の発する赤い光(Hα)で 光っている場所がたくさんあります。
このカメラは天体用なので、普通は写らない赤外線領域が写っています。
同じ場所を新しいカメラで写しました。
元々赤外線がよく写るのですが、さらに天体が出す特有の光を通すフィルターを付けると、天体の別の姿が見えてきます。中央上の星はデネブ。その左は北アメリカ星雲です。中央ははくちょう座γ(ガンマ)星です。
天体の発する主要4輝線(Hα、Hβ、OⅢ、SⅡ)附近だけ通すフィルターを使っています。これによって、水銀灯・蛍光灯などの光害もカットされます。
展示写真刷新( 館内新展示の説明2 )
すばる(M45)
・秋になると、東天をすばるが昇ってきます。
すばるで秋の気配を感じられたら、あなたはもう立派な天文ファンです。
・ギリシャ神話では、7人の娘さんが森の中で踊っているようすとされています。
・どの星も若いので、青白く輝いています。
・全体を青いベールが取り巻いています。
・500個ほどの恒星が同じ方向へ移動しているのが散開星団「すばる」です。
※しばらくの間、「すばる」を見るたび谷村新司さんを思い出すことでしょう。
撮影データ
2018年12月13日
ε-180ED (f=500mm・F2.8)
ニコンD810A ISO感度6400 露出60秒
原版:DSC 5219
子持ち銀河(M51)
・北斗七星の柄の端附近に、目を見張るM51星雲があります。「回転花火銀河」とも呼ばれ、渦巻きが発見された最初の天体です。
・1845年、渦巻きが観測されました。当時から新しい太陽系が形成されつつある、と推測されていましたが、1923年誤りが判明しました。
・2800万光年のかなたにあり、9.0等級と暗いので、渦はなかなか見えません。
・最良の尾鷲の空の下で撮られた1枚です。
撮影データ
2017年5月19日21時42分
81cm(N) (f=3200mm・F4.0)
ニコンD810A ISO感度6400 露出60秒
原版 : DSC 3479
バラ星雲(NGC2237、2244)
・冬の銀河に咲くバラ一輪……オリオン座のすぐ東にあるいっかくじゅう座にある散光星雲です。慣れてくると肉眼でその位置が分かります。
・本体(NGC2237)は直径60分の大きな星雲ですが、しっかり見えません。望遠鏡ではまん中の雄しべのような星々(2244)がよく見えます。
・NGC2237は赤い色(HⅡ領域=電離した水素)なので、肉眼ではわかりにくい色です。写真にはよく写ります。4600光年の距離にあります。
撮影データ
2022年2月28日22時14分~
ニコンD810A ISO感度6400 露出60秒×10枚
ε-180ED (f=500mm・F2.8)
原版 : DSC 5522~
~ 天文科学館からのご案内 ~
そのほか当館からのご案内といたしまして、夜間観望会のご案内や、各種のイベント予定などがございます。また、中村山公園ご利用の皆さまにおかれましては、開館時間中、当館トイレはいつでもご自由にお使いいただいております。金曜日~日曜日の開館時間内には、公園内の遊具設備とともに、どうぞお気軽にご活用くださいませ。
↑ こちらの画像クリックで、「天文科学館総合ホーム」のページに♪
(当ホームページへのご意見・お問い合わせなどに関しましては、こちらのシートからどうぞ)