最近の星の世界(2021年9月)
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~ 尾鷲市立天文科学館より ~
さそり座の心臓とも
呼ばれる赤い巨星
アンタレス…… 今回は
そんな星の明るさの
お話です……
それでは中村山からの天体解説、湯浅さん、どうぞよろしくおねがいしま~す!
星の明るさ
はい こんにちは。天文科学館 撮影および解説担当、天体観測指導員 湯浅祥司です。
では 今回もまいりましょう 「最近の星の世界」。
極限等級
どれほど暗い星まで確認できるか、確かめることを「極限等級を調べる」といいます。ちょうど「さそり座」のアンタレスの写真がありましたので、しらべてみることにしました。
写真は8月4日、月明かりのないよく晴れた晩のものです。明るさは0.91等で、太陽の直径の680倍ある赤色超巨星とされています。距離は550光年で、北極星 (433光年)よりすこしだけ遠い星です。
まずパソコン上で星図を作ります。ステラナビゲーターというソフトは、17.3等星までの星を表現できるので、作成したのが1図です。実写の画像と比較すると60秒露出でかなり暗い星まで写っていることがわかります。部分的には星図より暗い星が写っているので、18等星は間違いないようです。さらにフィルターや露出時間を工夫すると、もっと暗い星まで写ります。
アンタレス
天体専用のカメラ(冷却CCDカメラ)をつかうと、もっと暗い天体が写ります。遠いかすかな銀河を写していて、なにが写ったのか確認できなくて困ったことがありました。
星図でアンタレスのまわりの星がすくないのは、写真をもとに星図が作られるため、星のひかりのなかに入ってしまうので確認できないからです。
さて、今回の中村山山頂ドーム発 「最近の星の世界」、
いかがでしたでしょうか。以上、
尾鷲市立天文科学館 天体観測指導員、湯浅祥司でした。
湯浅さん、ありがとうございました!
夏の空に赤くかがやく
アンタレス…… その毒針を
おそれて夏場には姿を
見せないというオリオン座との
逸話とおなじく、周囲の
星たちも、サソリをおそれて
隠れてしまうのかも
しれませんね……♪
では 来月も、どうぞよろしくおねがいしま~す♪
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それではまた 次回の 星の世界で!
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