
~ 尾鷲市立天文科学館より ~

しし座
紀元前2000年頃、現在のイラク南部のチグリス・ユーフラテス川領域にバビロニアという国が栄えていました。この地にはライオンがたくさん生息していたので、住民が考えた星座といわれています。
わかりにくい星座が多い中、しし座はとても分かりやすく、頭部は西洋のカマに似ており、すぐ見つけることが出来ます。
ギリシア神話では、凶暴な大じしは大神ゼウスの神殿の森に住んでいて、ヘラクレスが退治します。
ししの大ガマの中にしし座流星群の輻射点があり、毎年11月の中頃多くの流星が見られます。2001年11月18日深夜~19日早朝にかけて尾鷲でも 数千個の流星(=流星雨)が見られました。
暗視野装置(I・I)を取り付けたビデオカメラで撮影し、千個以上の数え切れないほどの流星を記録しました。
この流星群は33年周期でピークがきます。テンペル・タットル彗星の放出したチリに地球が飛び込むことで起こります。2030年代も大出現が期待されています。
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フラムスチード天球図譜 しし座
・見頃 …………………… 4月下旬
・明るい恒星星数 ……… 一等星1個・二等星2個・三等星5個
・面積 …………………… 947平方度
2001年11月18~19日のしし座流星群(魚眼レンズ使用)。
しし座の後ろ足の付け根附近にある銀河。
ともに約3500万光年の距離にあり、しし座の三つ子銀河と呼ばれています。

おとめ座
しし座の東にある大きな星座です。青白く輝くスピカは12000度の高温星で、穂先を意味するラテン語から名付けられました。日本では真珠星ともいわれます。
豊作の女神デーメーテールとされ、大神ゼウスの妹にあたります。穀物、野菜、花、湧き出る泉まで支配するとされました。
星座の形は今ひとつわかりにくく、かろうじて麦の穂を持つ左腕をたどれます。
写真の左上はうしかい座アークツルス、下がスピカ、右上がしし座のデネボラ。三つ合わせて春の大三角といいます。
おとめ座附近にはたくさんの銀河があります。10等星以下と暗いので目で見るのは難しいですが、写真に撮ると驚きます。私達の銀河は2000個 ほど集まっている「おとめ座銀河団」に含まれます。中心はM87で、おとめ座の右肩附近にあります。
・ 見頃 ……………… 6月上旬
・ 明るい構成星数 … 二等星6個、三等星8個
・ 面積 ……………… 1294平方度
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フラムスチード天球図譜 おとめ座
左手に麦穂の束を、右手には鳥の羽のペンでしょうか。
左ひじとからす座の間にソンブレロ星雲(M104)があります。
土星のような姿の銀河です。
2020年4月、おとめ座の右肩付近に集まっている銀河群を撮影していたところ、「マルカリアンの鎖」を延長すると、ネックレスを超えハート形 につながることを見つけました。恒星ではなく銀河19個で形成されるこ とが分かりました。
最も暗い銀河は13等星なので、肉眼で観察することは困難ですが、
大型銀河M87を囲むようにハート形は存在します。
天球図譜フランス版の名作、おとめ座。
・星の名前(バイエル符号)はギリシャ語で呼びます。
・ギリシャ語は24文字です。(英語は26文字)
・新型コロナではα、δ、οなどが使われました。
・放射線ではα、β、γが使われます。
・κ、λ、μ、ξは国産ロケットの名前。πは円周率、φは直径、ωは……

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