~ 尾鷲市立天文科学館より ~
大雨が降っている間に
大雨が降っている間に、星空はいつの間にか夏空になっています。
今回は5月に撮った春の星空をご紹介します。
春の星座といえば「しし座」。はてなマークをひっくり返したように見えるしし座の頭部。2001年11月、ここからたくさんの流星が流れ出ました。「しし座の流星雨」といいます。天文館では1000個以上の流星をビデオに収めました。
しし座の銀河
しし座のうしろ足の付け根あたりにあるのが、「M65・M66・NGC3628」という銀河です。
2930~3500万光年かなたにあり、「しし座の三つ子銀河」と呼ばれています。
春の有名な銀河ですが、実際には小さく淡いため、なかなか確認が難しい天体です。
写真は300mmレンズで撮ったもので、双眼鏡で見た感じに近いものです。
「しし座の三つ子銀河」(拡大)
上 NGC3628 10.2等 3500万光年
左下 M66 8.8等 2930万光年
右下 M65 9.5等 3500万光年
Mel 111 (メロッテ 111)かみのけ座の散開星団
北斗七星の柄の南側を見ていくと、「あれ?」という光のかたまりが見えます。空の良い時に限りますが、この地方では確実に肉眼で見ることができる、大きく拡がった散開星団Mel 111です。
スバルまでの半分ほど、260光年の距離にあり、星数は30個とまばらです。
写真のように、双眼鏡の視野からはみ出して見えます。
ちなみに、スバルはMel 22です。
館内展示画像の更新
おかげさまで開館30年を超えました。当初館内に飾った天体写真は、1990年時点で手元にあった写真なので、撮影はそれよりもっと古いということになります。
30年を経て、天文館で撮った珍しい写真を整理し、徐々に入れ替えていきます。
このホームページでは、写真にまつわるエピソードなどを紹介していきます。
早朝の皆既月食
天文館建設が決定する少し前の1986年10月18日、皆既月食がありました。天満の堤防で夜半から明け方にかけて、1コマのフィルムに5分ごと41回露出したのが、この写真です。開館記念絵はがきとして印刷されました。
撮影中の3時間半の間に、潮の満ち引きで船の竿の高さが変わっていくのがわかります。
1コマでも雲が出たりすると失敗になります。当夜は完璧でした。
尾鷲湾の日の出
月食が終わり、ふと東天を見ると素晴らしい日の出がありました。ただ一度の、100点満点の日の出でした。
地元の英文学者・土井治氏を訪れていた北原白秋の門人・宮柊二氏が中村山で詠んだという歌を添えました。
立派な歌碑が、天文館の東側に建立されています。
~ 天文科学館からのご案内 ~
そのほか当館からのご案内といたしまして、夜間観望会のご案内や、各種のイベント予定などがございます。また、中村山公園ご利用の皆さまにおかれましては、開館時間中、当館トイレはいつでもご自由にお使いいただいております。金曜日~日曜日の開館時間内には、公園内の遊具設備とともに、どうぞお気軽にご活用くださいませ。
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