最近の星の世界(2021年6月)
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~ 尾鷲市立天文科学館より ~
雨の多い季節……
それでも星はめぐり、
地上でも、
かすかな明かりが
灯ります……♪
それでは中村山からの天体解説、湯浅さん、よろしくおねがいしま~す♪
かすかな明かり
はい こんにちは。天文科学館の撮影および解説担当、天体観測指導員 湯浅祥司です。
では さっそく、今月もまいりましょう 「最近の星の世界」。
聖域 ~立ち入り禁止~
梅雨のまっただ中です。月はじめに毎晩見えるはずだったISS国際宇宙ステーションは、ついに一度もお目にかかれませんでした。それなら、「地上の星」を探しに行こう……。
去年も訪れた市内の「聖地」で、2時間近くの間に200枚を撮り、何種類か10枚単位の合成を行いました。ヒメボタルはほぼ毎秒点滅するのが特徴です。数秒間点灯するゲンジボタルとは対照的です。
写真ではたくさんいるように写りますが、実際には10数匹が低空を飛んでいるだけです。しかも暗いので、明るいレンズで30~60秒露出します。さらに10枚ほど重ねますので、「写真=真実を写す」とは、ちょっと意味合いが違います。
撮影中、気になっていたことがありました。カメラの三脚のすぐ左の草むらに、2時間の撮影中、ずっと光っていたホタルがいました。写真を整理しながら思うのは、「ここから奥へ、入らないでね!」と言っている警備ホタルじゃなかったのか。
ご覧のとおり、この場所は何十年も、もしかすると何百年もホタルの聖地だったかもしれません。地上すれすれに飛ぶヒメボタルの繁殖地へズケズケ入って行って、撮影したり騒いでいたら、短期間のうちに、聖地が消えてしまうかもしれません。
写真の題を「聖域 立ち入り禁止」としました。注意して見学させてもらいましょう。
春の銀河
おとめ座の右肩附近に、たくさんの銀河が集まっています。「おとめ座のハート形」が見つかったところです。その右(西)にあるしし座の後ろ足の付け根には、春の代表的銀河「M65/66」があります。
3つあわせて「しし座の三つ子銀河」と呼ばれています。NGC3628は私たちのカメラにはよく写りますし、独特の形状が興味深い銀河です。
M65(天文科学館:メシエカタログより)
1780年に発見したメシエは「非常に微(かす)かで星はない」と記録しています。
M66(天文科学館:メシエカタログより)
メシエは「たいへん微かでM65に極めて近い」
と記録しています。
発見時口径19cmの望遠鏡を使用していたと思われますが、存在に気づく程度で、どんな形をしているかまでは観察できなかったようです。
さて、今月の中村山 山頂ドーム発 「最近の星の世界」、
いかがでしたでしょうか。以上、
尾鷲市立天文科学館 天体観測指導員、湯浅祥司でした。
湯浅さん、ありがとうございました!
暗闇に浮かぶ ほのかな明かり……
やはり万物には どこか
しっかりとした意志のようなものが、
もともとそなわって
いるのかもしれませんね……♪
次回もどうぞ よろしくおねがいしま~す!
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ではまた 次回の 星の世界で!
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