最近の星の世界(2022年1月)
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~ 尾鷲市立天文科学館より ~
和の冬を たのしむ……
いまではもう、それも
貴重な時間なのかも
しれません……
それでは中村山からの天体解説、湯浅さん、どうぞよろしくおねがいしま~す!
オリオン座と和歌
はい こんにちは。天文科学館 撮影および解説担当、天体観測指導員 湯浅祥司です。
では 今回もまいりましょう 「最近の星の世界」。
星の歌人
明けまして おめでとうございます。
今年は初日の出撮影には行かず、尾鷲湾から昇ってくるオリオン座の撮影に行きました。正月ごろには薄明が終わり、撮影可能になった瞬間、理想的な位置にあります。
星の歌人 久留一枝さん(伊勢市)はその様子を
今宵また斜に昇り来オリオン座
リゲルは青し燦然として
と詠まれています。東紀州では緯度が35度前後なので、天の赤道に直角なオリオン座は斜めに昇ってきます。久留さんの好きな青白いリゲルが読み込まれているのが、星の和歌である所以です。
昭和万葉集という全集があります。昭和に入ってからの秀歌を集めてあり、全20巻別巻1の大作です。なかには8万2千首の短歌や俳句が掲載されています。全部目をとおしましたが、星の歌は少なく、目にとまったのは68首だけでした。久留さんのように、天文知識を基に作られた句はなく、ますます歌人の一首が輝きます。
星の句というと、松尾芭蕉の
荒海や佐渡に横とう天の川
が、有名です。1689年8月18日に出雲崎で詠まれたといわれています。ところが佐渡の海は夏に荒れることはなく、また、シミュレーションすると天の川は、北西方向に見える佐渡の上空には見えません。三日月が没した後、頭上の東側に見えますが、横たわっているように見えるかどうか。
芭蕉の、流人への深い思いが込められた、心象風景が描かれているようです。
久留さんは10年近く天文科学館へ通われ、多くの句を残されました。時々ご紹介します。
けあらし(毛嵐:蒸気霧)
尾鷲にめずらしく雪のつもった朝、須賀利で「けあらし」を見ました。最初、なんという現象なのかわからなくて、皆さんに聞きました。海を渡る風に運ばれて、素早く移動する霧は幻想的でした。温かい海水の上を渡る冷たい風の、芸術作品に見えました。
ぞろ目の時刻
2022年2月22日22時22分22秒と「2」が12個ならぶ、めずしい時刻が
訪れます。前回の平成22年より1個多くなります。
ちなみに、過去最多は1111年11月11日の14個でした。でも、当時「秒」まで測れたかな?
さて、今回の中村山山頂ドーム発 「最近の星の世界」、
いかがでしたでしょうか。以上、
尾鷲市立天文科学館 天体観測指導員、湯浅祥司でした。
湯浅さん、ありがとうございました!
天体はもちろんのこと、日本に
存在する すばらしい世界……
いえ、気づかないだけで、
ひょっとするとそれは、
思わぬ身近に あったりする
ものなのかもしれませんね……♪
では 来月も、どうぞよろしくおねがいしま~す♪
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それではまた 次回の 星の世界で!
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