
~ 尾鷲市立天文科学館より ~

腕試し オリオン星雲
冬期みごとな姿を楽しませてくれたオリオン大星雲も今シーズンはそろそろおしまいです。

オリオン大星雲
81cm望遠鏡に冷却カメラを取り付けて写してみました。
星雲を輝かせているトラベジュームのあたりです。
よく見ると緑色の星雲が見えています。
オリオン星雲は主に水素の出す近赤外の赤い色と、酸素の緑色(OⅢ線)で光っています。私達には近赤外は見えないため、全体がうっすらと緑色に見えるともいわれています。
30秒露出の画像を10枚重ねてみました。
雰囲気は出てきたものの、まだまだの出来です。

オリオン座の馬頭星雲附近
星をより小さく、淡い星雲をより鮮明に、と写します。
昨年と同じような画像が得られました。
もう少しクリアーにするにはどうすれば良いか……
また来シーズン挑戦です。

天体カメラについて
この欄で使用しているカメラ受光部(かつてのフィルムに相当)を覗いてみましょう。

一眼レフ
一眼レフカメラの受光部です。
35.9mm×24.0mmのC-MOSの上に7360×4912個の素子が並んでいます。3615万画素です。
直前の保護フィルターは、赤外線を通します。
※ファイバースコープの照明が8個あるので、見かけない模様ができました。

天体用冷却カメラ
冷却C-MOSカメラの受光部です。
23.5mm×15.7mmのC-MOSの上に6248×4176個の素子が並んでいます。2600万画素です。
受光部裏には冷却素子がついており、ノイズ除去のため-20℃くらいに冷やして使用します。

天体観察の基礎

望遠鏡とプリズム
望遠鏡で観察すると、「上下が逆」になります。
天体では余り気になりませんが、地上の景色を見るとすぐ分かります。
※通常、天体観察はこの状態で見ていただきます。

天頂プリズム
天体が真上にくると見にくいので、天頂プリズムを使うことがあります。
「上下・左右がいつもの逆」になります。
星ではあまり気になりませんが、「月面撮影では注意」が必要です。
※高度のある天体では、稀に天頂プリズムを使います。(M13、アルビレオなど)
※ときどき20cm望遠鏡で使うことがあります。

正立プリズム
高度のある天体が見やすくなります。
「肉眼で見るときと同じ」見え方になります。
内部で何回も反射するため、少し暗くなります。
※めったに使いません。
※20cm望遠鏡で使うことがあります。

熊野酸性岩
先月、私達の住む尾鷲は古代カルデラの中にあると説明しました。
発表されている資料をご紹介します。(地名は加筆)
ピンク色部分が熊野酸性岩です。
古代、大きな地殻変動があったことが想像されます。
私達はその中に住んでいることになります。

~ 天文科学館からのご案内 ~
そのほか当館からのご案内といたしまして、夜間観望会のご案内や、各種のイベント予定などがございます。また、中村山公園ご利用の皆さまにおかれましては、開館時間中、当館トイレはいつでもご自由にお使いいただいております。金曜日~日曜日の開館時間内には、公園内の遊具設備とともに、どうぞお気軽にご活用くださいませ。
↑ こちらの画像クリックで、「天文科学館総合ホーム」のページに♪
(当ホームページへのご意見・お問い合わせなどに関しましては、こちらのシートからどうぞ)