最近の星の世界(2013年9月)
- [公開日:]
- [更新日:]
- ID:9999
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
☆きれいな夜空☆
「尾鷲の空は、天の川も見えて素晴らしいですね」――来館者の皆さんに、そのように言っていただくことがあります。
「本当は、もっときれいなんですよ」と内心で思いつつ、お礼を言います。
理科年表で8月の平均日照量を調べてみると、尾鷲市は全国平均を下回っています。つまり、晴れの日がそれほど多くないのです。しかし、私の経験から言うと、統計には出ませんが、8月はすごい夜空の出現する回数が多いのです。
8月27日21時頃から2時間、まさにその夜空を体験しました。天候が悪くまだ撮影していなかった「いるか座新星」も、この日、大急ぎで撮影しました。「いるか座新星」とは、今年の8月14日に発見された新星です。今回はその新星も含めて、27日に尾鷲の夜空を彩った星々についてご紹介します。
いるか座新星(肉眼視野)
「いるか座」は、「はくちょう座」と「わし座」の間にある小さな星座です。
また、「いるか座」近くには「こぎつね座」という星座もあり、この星座どうしの境目あたりに
「いるか座新星」が明るく輝いています。
この新星は双眼鏡で楽に見えるのですが、天の川に近い位置にあるので、どれが新星
なのか中々分かり辛いです。
肉眼で見た感じの視野はこちら。
クリックで画像拡大すると、黄色円の中央が「いるか座新星」です。
2013.8.27. 21:19' 58mm F1.2(2.8)
ISO 1600 露出30秒
いるか座新星(双眼鏡視野)
肉眼からもう少し倍率を上げてみました。
低倍率の双眼鏡で見た画像です。下に見えている菱形が「いるか座」の頭部です。
新星は画像右上寄りにあります。上から大体1/4下がった位置にあるピンクっぽい
色をしているのがそれです。
クリックで画像拡大し、黄色の円中央が新星です。
拡大画像を更に拡大することをお勧めします。
2013.8.27. 21:36' 180mm F2.8
ISO 1600 露出30秒
ウラノメトリア星図
星図上で確認してみましょう。
この星図では、赤い矢印の先に明るい星はありません。
ここに突然現れたのが、今回の「いるか座新星」です。
こぎつね座(Vulpecula)
や座 (Sagitta)
いるか座 (Dolphinus) ※( )内はラテン語表記
以上3つの星座の境目で輝いています。
いて座の銀河
「いて座」の方向には、「旧所・名跡」が集中しています。
拡大画像にはM(メシエ)天体の番号を入れましたので、画像クリックしてご覧ください。
M天体の「M」とは、200年程前のフランスの彗星捜索家メシエが彗星と紛らわしい天体
110個をM天体と名付けたものであり、それが今も使われています。
画像下方にはM20(三裂星雲)、M8(干潟星雲)があります。
これらの星雲は先月のHPにも説明がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
銀河中心方向
私たちのいる銀河系中心方向です。
「いて座」の暗黒星雲の中にあり、目印は全くありません。
画像を横切っているのは近所の電線です。
2013.8.27.22:04 58mm F1.2(2.8)
ISO 1600 露出30秒
超広角レンズで撮った天の川
家から距離にして100m位の所へ広角レンズを持って行ったら、雲がちらほら出てきました。
雲が広がらないうちにと、大急ぎで撮った1枚がこの写真です。
夜空は夜半から明け方にかけてがベストなので、人々が眠りについている間、こんな空が
広がっているのでしょう。
「みなみのかんむり座」から「アンドロメダ座」までが写っています。
左上付近の淡い天体はアンドロメダ大星雲。
天の川の真ん中には暗黒帯が走っているのがよく分かります。
(焦点距離14mmでは対角線で114度写ります)
2013.8.27. 22:34' 14-24mm(14mm) F2.8
ISO 1600 露出30秒
お問い合わせ
開館時間:9時30分~17時00分(金曜・土曜・日曜)/夜間【好天時のみ】19時00分~21時30分(金曜・土曜)
TEL:0597-23-0525 FAX:0597-23-0525 E-mail:tenmon2002@orion.ocn.ne.jp