
~ 尾鷲市立天文科学館より ~
今年の 暑い夏……
それでも おとずれて
くれる お星さまも
ひろい夜空には
ありました……♪
それでは中村山からの天体解説、湯浅さん、よろしくおねがいしま~す♪

出会い
はい こんにちは。天文科学館の撮影および解説担当、天体観測指導員 湯浅祥司です。
では さっそく、今月もまいりましょう 「最近の星の世界」。

彗星
猛暑の季節も、過ぎようとしています。
今年の夏は、なんといってもネオワイズ彗星……。ところが、西日本では天気の悪い日が多く、ほとんど見ることができませんでした。かろうじてとらえた姿をご覧ください。
ネオワイズ彗星
まだ明るかった7月20日時点の姿。全体に薄雲がかかっていますが、立派な尾を引いているのがわかります。
珍しい出会い
撮影計画を立てていて、8月4日20時35分、彗星がM64黒目銀河に接近しているとき、国際宇宙ステーションが右上から左下へ横切ることがわかりました。ISSが3秒遅かった以外、予想通りとなりました。
記者さんに「どれくらい珍しい現象ですか?」と問われましたが、こたえは「永遠に見えることはありません……」でした。
3つの彗星
この時期、アルクトゥールスの近くに、ネオワイズ、パンスターズ、レモンの3つの彗星が集まっていることがわかってきました。シミュレーションすると、図のようにきれいに並んでいます。
標準レンズより少し長いレンズ(70mm)を使って、実際に写るのか、試してみました。左下にネオワイズ彗星が写っています。残りふたつの彗星は、写ってはいるのですが、かなり暗く簡単には確認できません。
レモン彗星 (C/2019 U6)
口径18cm・500mmの天体用レンズで写してみました。かなり小さく、暗いです。そのままではよく見えないので白黒反転させて、コントラストもあげました。
パンスターズ彗星 (2017 T2)
こちらはさらに小さく、暗い彗星です。彗星を発見した直後はもっと暗いことが多く、大変な努力をされていることが想像できます。
ネオワイズ彗星 (c/2020 F3)
こちらは、まだ立派な尾を引いていることがわかります。もう少し空の状態が良いと、尾の左側にまっすぐな青い尾=イオンテールが写ってくれてるはずです。その代わりというわけではありませんが、彗星のそばを人工衛星が飛んでいます。
その核は、彗星独特のきれいなシャーベットトーン(薄い緑色)で輝いています。
ペルセウス座流星群
8月15日早朝、天気予報が良かったので、尾鷲港の岸壁で火力発電所の方向にカメラを向け、流星の登場を待ちました。
出現のピーク=12日を過ぎていたため大物は出現せず、小さい流星がいくつか飛びました。画像では煙突の左上にひとつ見えます。
尾鷲湾の夜明け
4時を過ぎると、東の空が明るくなってきます。下弦の月と金星が輝いています。その左に見えるのは冬の星座、オリオン座です。
さて、今月の中村山 山頂ドーム発 「最近の星の世界」、
いかがでしたでしょうか。以上、
尾鷲市立天文科学館 天体観測指導員、湯浅祥司でした。
湯浅さん、ありがとうございました!
出会えるだけでも貴重な彗星……
星もひとも、その瞬間瞬間が
とても大切なのかも
しれませんね……♪
次回もどうぞ よろしくおねがいしま~す!

~ 天文科学館からのご案内 ~
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ではまた 次回の 星の世界で!
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