最近の星の世界(2013年6月)
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☆最近の画像から☆
尾鷲から見える天体の中で、一番南にある有名な天体は何でしょうか?
それは「ω(オメガ)星団」で、初夏のごく限られた時期にだけ見ることができます。
ω星団は、球状星団の中で最も大きな天体です。見かけの直径(視直径)は23分もあり、月と同じくらいの拡がりがあります。光度は3.7等星で肉眼でも見ることができ、地球から約17,000光年のところにあります。ω星団は、春から夏にかけて南の夜空の低い位置に現れる「ケンタウルス座」の中に、初夏の一時期だけ見ることができます。
ケンタウルス座は、2世紀に定められた「トレミー(プトレマイオス)48星座」の一つです。48星座は、現在使われている88星座が成立する前から使われていましたから、星座のご先祖様のような存在です。またケンタウルスは、上半身が人間で下半身が牛の怪物ですが、ケンタウルス座は、日本からは上半分しか見えない場所が多く、全体が見えるのは沖縄県以南となります。
また、この星座には「αケンタウリ」という一等星があります。約4光年のところにあるこの星は、太陽以外で最も地球に近い恒星ですが、残念ながら尾鷲からは見ることができません。ちなみに、さらにその少し南には「南十字星」が輝いていますが、こちらも尾鷲では見ることができません。
尾鷲でω星団を見ることができる時期は、ケンタウルス座が日周運動で最も高い位置にくる5月ごろに限られます。ところが、天文科学館がある尾鷲(旧町内)の南には八鬼山があるので、その頂きの西にある低いところへ差し掛かった時だけが、ω星団を見ることができるチャンスです。しかもその時、月明かりがあったり薄雲がかかっていては見ることができません。
「最近」というにはやや看板に偽りがありますが、この数少ない機会に天文科学館でω星団を撮影した、貴重な1枚をご覧ください。
なお、北半球の空でよく見える最大の球状星団はヘルクレス座にあるM13で、ω星団の1/8位の拡がりになります。それでも81cm望遠鏡の視野に広がる様子は圧巻です。
ω星団(その1)
2005年5月7日 21時25分
81cm直焦点 露出1分
球状星団M13
北半球で見える最大の星団。
ω星団(その2)
ω星団は、尾鷲(旧町内)から見た八鬼山の西に見えてくる。
天文館からは真南方向。
ω星団(その3)
南半球で見るω星団。
αケンタウリは、太陽を除いて地球に最も近い恒星。
すぐ下には南十字。
西空に傾いた状態。
2008年8月 バリ島
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