最近の星の世界(2014年3月)
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☆最近の星の世界から☆

オリオン座が西に傾いてきました。この情景で、天文ファンは春の訪れが近いことを知ります。また来年までお別れですね。
今回は81cm望遠鏡で、オリオン座を構成する7つの恒星とおおいぬ座の「シリウス」、さらに大星雲に迫ってみました。

オリオン座の星図 ( Stellanavigator Ver.9 )
星図上の数字は、それぞれ下図の番号です。
位置関係等、照らし合わせてみて下さい。
なお、下図の十字線は望遠鏡内部の回析像で、星そのものの姿では
ありません。

1.ベテルギウス ( α : アルファ )
オリオンの右肩にある赤い星で、地球から比較的近くにあります。
(距離642光年前後)
超新星爆発を起こす赤色超巨星。木星軌道に匹敵する大きさがあり、脈動
しています。
爆発すれば上弦の月くらいの明るさになり、数日間は昼間でも見えると予想
されていますが、それが明日なのか数万年後なのかは分からないそうです。
ベテルギウスのないオリオン座なんて、想像もできませんね。
この星は変光星で、0.0~1.3等星の間で変化します。

2.ベラトリクス ( γ : ガンマ )
「女戦士」の意味を持つ2等星。
オリオンの左肩で輝いています。

3.ミンタカ ( δ : デルタ )
「三つ星」の一番右の星。
2等星です。

4.アルニラム ( ε : イプシロン )
「三つ星」の真ん中の星。
2等星です。

5.アルニタク ( ζ : ジータ )
「三つ星」の一番左の星。2等星。
近くに「M78星雲」や「馬頭星雲」があります。

6.サイフ ( κ : カッパ )
オリオンの右膝にある2等星です。

7.リゲル ( β : ベータ )
オリオンの左足首で輝いているのが「リゲル」です。
距離およそ860光年で、1万度を超える温度のため、白っぽく見えます。
青色超巨星とされ、内部で水素の核融合反応が急激に進んでいるといわれて
います。
和名は「源氏星」。
白っぽく見えるため、源氏の白旗にちなんでそう呼ばれています。
対して、ベテルギウスを「平家星」と呼びます。

8.おおいぬ座シリウス ( α : アルファ )
近くの「おおいぬ座」にある「シリウス」に望遠鏡を向けてみました。
この輝きです!
最も明るい恒星で、-1.47等星。
<1~8撮影共通データ>
2014.2.22.21:13-31 81cm N焦点 ISO 6400
露出15秒
※これらの画像すべては、明るさの調整をしておりません。

オリオン座大星雲 ( M42 )
ここまできたら、大星雲を訪問するのが礼儀でしょう。
今夜もきれいな姿を見せてくれています。

M82の超新星 ( SN2014J )
1月21日に「おおぐま座(北斗七星)」の先に出現した超新星。
ちょっと暗くなっているものの、まだかなりの光度を保っています。
ちなみに測光すると10.768等星。
1ヶ月経ってもこの明るさはかなりのものです。
先月の測光は少し暗く見積もりすぎました。

オリオン座を詠む
こちらは星の歌人・久留一枝様(伊勢市)の作品です。
歌が刻まれた、2008チェコ・プラハでの展示作品(切子)と
なっております。
写真と文:湯浅祥司
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